ご挨拶

会長

第7回通信指令シンポジウム

実行委員長 福島 英賢

(奈良県立医科大学 高度救命救急センター 教授・センター長)

第7回通信指令シンポジウムを開催させていただくにあたり、実行委員会を代表して一言ご挨拶を申し上げます。

本シンポジウムは、消防の通信指令における稀な事案の経験、業務改善の取り組み、研究によって得られた知見等について、発表し、聴講し、そして議論する場として平成30年2月に初の開催を行い、今回で第7回目を迎えます。

この間、全国から毎回多くの参加者を迎え開催することができましたことは、ひとえにこれまで会を支えていただきました関係各位はもとより、消防・自治体関係者、医療関係者及び学識経験者など多くの皆様方のご理解、ご協力のおかげと深く感謝申し上げる次第です。

さて、令和6年1月1日に令和6年能登半島地震が発生するなど、災害対応は365日24時間、いつ何時でも発生することが改めて、身を引き締める思いとなりました。

消防を取り巻く環境もここ数年で複雑多様化の一歩をたどり、昨今は、台風の激甚化や線状降水帯による浸水、土石流被害など大規模な自然災害をはじめ、北朝鮮弾頭ミサイル発射やテロ災害への対応、さらには大規模イベントに対する消防警備や消防防災分野におけるDXの推進等々、消防行政は今まさに新たな転換期を迎えようとしています。

そこで、今回のシンポジウムは、「通信指令業務におけるBCP」をメインテーマに、災害でも維持していくべき通信指令の姿や取り組みを様々な立場から発表いただき、今後、通信指令が担うべき役割について皆様方と一緒に考えていこうと現在準備を進めております。

通信指令は、通報者と消防をつなぐ極めて重要な生命線であり、通信指令の対応が、その後の現場活動の流れを大きく左右するといっても決して過言ではありません。

ただその一方で、通信指令分野は、救助や救急に比べ情報交換の場も少ないことから、それぞれの消防本部や関係機関においても日ごろから様々な課題を抱えながら色々と解決策を模索されておられるのではないでしょうか?

どうか、本シンポジウムを通じて皆様方の貴重な経験や新たな知見が課題解決の一助となり、通信指令の充実強化と消防行政の発展の輪が全国に広がりますよう、多くの方々のご参加を心よりお待しております。